アラビア半島は草原だったかもしれない~アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝@東京国立博物館 表慶館
寒い寒い週末に、砂漠の国サウジアラビアの歴史を学んできました。
というと真面目な感じがしますが、博物館活動です。東京国立博物館 表慶館で開催されている『アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝』を見てきました。
アラビア半島ってあるじゃないですか。
Wikipediaで恐縮ですが、半島のほとんどはサウジアラビア。砂漠、石油、イスラム教、そしてサッカー、とかとかのイメージ。サウジアラビアの皇太子が来日したときは、日本でも大きなニュースになりました。
高校の世界史でアラビア半島の話が本格的に出てくるのは、622年のヒジュラ(聖遷)のあたり。ムハンマドがメッカからメディナに本拠地を移して、イスラムの歴史が始まったとされる年。私のアラビア知識はイスラム教とセットになってたのかと今更気づきました。世界に目を広げると、宗教なんて関係なく人類の進化から始まってアウストラロピテクスとか旧石器時代とか紀元前とか言ってるのに、この地域の昔の姿なんて考えたこともなかった。
というわけで、イスラム教が成立する前の、遺跡調査に基づくアラビア半島の歴史が知れてとても面白かったです。新発見ばかりだった。
全体で5章構成。
展示の量も多すぎず、混雑もそんなにしておらず、ゆっくり見れてよかった。
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第1章 人類、アジアへの道
第2章 文明に出会う道
第3章 香料の道
第4章 巡礼の道
第5章 王国への道
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詳しくは公式HPに書いてあるとおりです。←
あとは感想をつらつら。
一番最初に矢尻とか打製石器とか埴輪みたいなやつが出てきて、「そこからさかのぼるのか!」と少し驚いた笑
アフリカからホモ・サピエンスがじわじわと世界に拡大していくにあたり、きっとアラビア半島も通り道だったわけで。「当時の気候条件だとアラビア半島のあたりはステップ(草原)地帯だったかも」というようなことが解説に書かれていて(写真撮っておけばよかった、うろ覚え涙)、「考えたこともなかった!」と目から鱗でした。あの広い半島が、馬が駆け回るような草原地帯だったかもしれないなんて…
紀元前3000年頃の像もあって驚き。でもピラミッドもその頃かと思うと、交易路だったんだからそりゃあ何かしら残ってるよな...と思い至る。メソポタミア文明とインダス文明の間をつないでいたとか。あとは香料の交易。海のルートも陸のルートも外せない半島だったのね。
エジプトの遺跡にありそうな、大きな人間の像が展示されていました。頭と腕は欠けていて完全な姿ではなかったけれど、迫力があります。というか気になったのは「膝のリアリティ」。圧倒的膝。膝の筋リアルすぎ。上半身のバランスちょっとおかしいのに、膝、リアルすぎ。ぜひ見てほしい。オアシスの都市を中心に、多くの国があったようです。初めて聞くものばかり。
ローマ帝国の時代、ヘレニズム文化の頃になってくると、ローマ人ぽい巻髪の頭像があったりして。あとはガラス製品も、壺も、なんとなく地中海風。5階建てくらいの大きな建物がフレスコ画に描かれていて、空想なのか現実を描いたものなのか、どっちにしてもとてもロマンあふれるなぁと!!!遺跡からCGでイメージした当時の街並みムービーもあったのですが、砂漠の真ん中に高い塀に囲まれた四角い都市が浮かび上がって夕陽に照らされるわけです(CGだけど)。遠くから街を見つけた旅人はすごく幻想的な気持ちになったろうなぁなんて思ったり(イメージだけど)。
オアシスがあるだけでそれだけ重要な都市として発達するんだから、昔から水にあふれている日本なんかとは価値観が全然違うだろうな~
そうこうしているうちにイスラム教成立後の展示に。
交易路が今度はカーバ神殿への巡礼路としても機能を果たすように。巡礼路って人の往来が多くなるから、交易路としてもどんどん発達。
アラビア文字が成立して、飾り文字が描かれた墓碑なども展示されていました(今更ながらお墓の碑なんだよな…いいのかな…)。草花モチーフと合わせて飾り文字が美しくなっていくのが素敵でした。全然読めないしどこからどこまでが文字だかよくわからなくなるけど。日本のひらがなも似たようなもんか。
そして驚いたのが、カーバ神殿で実際に使われていた「扉」が展示されていたのですよ!400年くらい前のものかな?けっこう大きかったけど持ってこれるもんなのね!笑
装飾もそうですが、言葉にならない荘厳さのようなものがありました。
カーバ神殿を上空から撮影した「巡礼の様子ムービー」もありました。ものすごい量の人が一定のペースでぐるぐる回っていて、祈りや信仰のひたむきさってすごいなと。初詣に並ぶ日本人みたいなものかとも思うけれど、彼らは一生のうちに一回は巡礼するっていう義務を負っているので、思いが違います圧倒的に。
カーバ神殿を含む全体のモスクを「マスジド・ハラーム」と言うのですが、ぜひググってください。ものすごい数の人で埋め尽くされる広場の画像が出てきます。あと、検索3位くらいにエクスペディアの旅行プランが出てきます笑 そうか、巡礼プランってことか....!!
ちなみにですが、最近読んだ漫画はイスラム教に対する考え方が変わるよい漫画でした。ムスリム女性と日本人留学生がルームシェアをする4コマ漫画。かわいいものが好きとか、女子会をするとか、私たちと同じで。でもお祈りは欠かさない彼女たちの気持ちにハッとさせられます。おすすめ。
そしてサウジアラビア王国ができる現代へ。オスマン帝国と戦った頃のライフルなど軍事用品も展示する幅広さ。初代の王様の「はやぶさ用とまり木」の展示には「そんな展示品名があるなんて考えたこともなかったぜ」と思わず二度見。
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結局イスラム教の話になってしまいましたが、ボリュームとしてはそれ以前の時代の方が多かったかな?
結局私たちが知ることができるのは、文字として残っているものが一番わかりやすいし、発掘品がたくさんあるほうがわかりやすい。そういう地域は研究が進むし、歴史の勉強の中で厚みを増していく。
まだ研究が追い付いていなかったり、明確に言えることが少なかったり。そういうものは教科書には載らない。知識としてなかなか触れられない。一方で、ローマやエジプトのお隣で活発に栄えていた街があることは事実だし、もっとさかのぼると人類の通り道だったことも事実です。思い至っていなかっただけですね。
「考えたこともなかった!」ということに気づかされた体験は新鮮でした。
普段なかなかそういう経験できないし、興味あるひとはぜひ。
心がじゅわっとした。谷川俊太郎展@東京オペラシティアートギャラリー
谷川俊太郎展に行ったのですが、とても、とてもよかったです。
ほぼ日の記事を読んで開催を知って、「行かねば!」とすぐに行って正解でした。
谷川俊太郎という名前は誰もが知っていると思います。御年86歳。
たくさんの作品をただ並べるのではなく、「谷川俊太郎というその人」を掘り下げる展示でした。
翻訳した絵本、作詞した音楽レコード、執筆に使っていたPC、影響を受けた本、創作ノート、原稿など、詩人や作家の展示によくある「仕事に関係したもの」の展示ももちろんたっぷりあります。
でも、家の写真、友達とやりとりしたハガキ、普段着ているTシャツ、子供の頃から好きだったラジオ(その修理道具)、おもちゃ、などなどなどなどとにかく(いい意味で)雑多にものが展示されています。なんだかすごくアットホームでした。
展示スペースの間を縫うように、大きな本が見開きになった展示があって、テーマに沿った詩が書かれています。その中の一つを読んでいたとき、私のことをすごく遠いところから見ている人が、私の耳元で「だいじょうぶ」と言っているような気持ちになって、ちょっと泣けました。
作品の素晴らしさはもちろんです。でも、展示されている物自体はとても身近な物ばかりなので、「みんなに愛されている先生がはにかみながら自己紹介をしている」という感じでほっこりします。
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実はこの自己紹介パートの前に一つ大きな部屋ごとある展示があって。それがもうすんばらしくて。すんばらしくてですね!!!!
大きな長方形の部屋の壁に、壁掛けディスプレイがぐるっとたくさん並んでいる。ディスプレイの下には大きなスピーカーが置いてある。ディスプレイとスピーカーのセットにぐるりと取り囲まれている、照明のない暗い部屋です。
そこに詩の朗読が入ります。『かっぱ』『ここ』『いるか』など言葉遊びがリズミカルな詩。朗読に合わせてディスプレイの一つずつに一文字一文字が流れていって、色が変わったり声色が変わったり効果音が入ったり。もう、飽きない。ずっと見ていられる。これ音楽じゃない?という気さえしてくる。そこで見ていた人はみんな、広い部屋の真ん中で、流れていく文字をぐるぐると追いかけているもんだから、体が回転していました(私もぐるぐる)。朗読ってこんなに面白くなるのか!と。すごく楽しい空間だった。
----HPより引用----
展覧会の始まりは小山田圭吾(コーネリアス)の音楽とインターフェイスデザイナー中村勇吾(tha ltd.)の映像による、谷川俊太郎の詩の空間です。
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詩の空間、最高でした。この時点で「もう一回、谷川俊太郎展、行きます」と思ったもんね。会場入って3分くらいだったけどね。
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最後に、いろんな著名人に同じ質問をした時の回答が画面に流れていく、「コリドール 3.3の質問」というコーナー。同じ質問に対して「この人はこう返すのね」というのが面白いです。説明してもよくわからないと思うので、ぜひ見に行ってください(まぁ全部そうなんだけど)。
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詩を読んでいて心がじわっとする、という体験は、社会人になってから起こるようになりました。子供の頃はよくわからなかったから言葉遊びの面白さとか音の面白さとかがハマっていたと思うんだけど。
大人になって、親が年老いて、自分で身を立てるようになって、うまくいくこともいかないこともあって。そういう時に寄り添ってくれる言葉は、とても貴重で、尊くて、温かいです。
(なんで谷川さんの言葉がこんなに染み入るのだろう、というのは、ほぼ日の記事ですごく素敵にまとまっています。これを書いた方は本当に谷川さんが好きで、作品をたくさんたくさん読んでいて、助けられてきたんだろうなと思って、そこもまた素敵です。)
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この展示会、本当にオススメします。心をじゅわっとさせてください。
固まっていたものが溶ける「じゅわっ」なのか、血がちょっと滲むような「じゅわっ」なのか、それは人それぞれだと思いますが、昨日よりも前向きで優しい人になっている気がします。
薄いと濃いの間、長いと短いの間が「やや長めのweb特集記事」だと思うんですね
吉祥寺に用があったので、ついでに井の頭公園をぶらつきました。冬の水辺って清々しい気分になる気がします。
池の端っこに神田川の源流を見つけたので、小さな橋の上から写真を撮る。そういやほぼ日の企画でやってたわ。こんな細い川が何本にも分かれて大きくなって海まで行くって改めてすごいな。進化して分かれて広がっていく生き物の系図が思い浮かんだのは、個人的教養世界史ブームのせいです。
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指南役さんという人のTV分析の連載がすごく面白くて。同じく指南役さんの72時間ホンネテレビの記事もそうですが、『異邦人』のコラムなんてドラマティックでドキュメンタリーかよと。末尾の締めくくりが俯瞰的だけどタイトルに帰ってくる感じが!!そんな締め方しちゃうのってな!!
reminder.top
social-trend.jp
…とはいえ連載全部は読んでないです。twitterで更新のお知らせがあって気が向いたら読んでるくらい。でも1記事3ページ以上がデフォで、ネットニュースよりは長い。でも読める。
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ニュースと本(書籍)の間に、「やや長めのweb特集記事」がじわじわ存在感出してるなと感じます。
ほぼ日の読み物は3〜12回くらい、NewsPicks特集記事も3〜10、長いものは15回とか。一回のインタビューを分けて書いてるものもあれば、1つのテーマに対して寄稿、体験レポ、インタビュー、対談など回ごとに中身を変えるものも。
最近ブロックチェーンを知ろうと思ったときにちょうどよかったのがNewsPicksの連載。
newspicks.com
私はエンジニアではないから技術的内容に興味はないけれど、なぜこんなに話題になってるか、何がどうすごいのか、概論は知りたい。そうすると短いネットニュースだとよくわからないし、本だと縁遠くて手が出ない。そのときに多角的にまとまってたNewsPicksの特集はちょうどよいのでした。
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少し角度を変えまして。
noteというブログのようなサービスがあって、一時期けっこう話題になりました。100円とか有料記事も公開できてユニークだね、という感じだったのですが、「思ったより来なかったかな?」と最近思っていたものの。一部ではずっと有効活用されているようです。ZOZOSUITの記事でシェアした最所あさみさん、かっぴーさん、ホリエモンさんしかり、業界内で知見があって表現力が高い人はメルマガ的に使っている。そこでオフ会やイベントもあったり。コミュニティみたいになってたのかーと気づきました。来なかったとか言ってすんません。
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ホンネテレビの指南役さんの記事にもありましたが、「SNSで気づいてから自分で調べてコンテンツにたどりつく」という情報摂取ルートが増えています。twitterは高校生とかもまだけっこう使ってるみたいだし。マスというかマクロ発信(受信)とミクロ発信(受信)のバランスを取って、軸足を寄せすぎないようにしないとまずいなと感じたこの頃。速報のあり方も難しいですね。ZOZOSUITのときは前澤さん自身がツイートしてんだもんな。
ZOZOSUITは、街頭やコラボ企業経由等、圧倒的な速度で世界中で無料で配りまくり、体重計や体温計のように一家に一台の存在にします。そして、世界中のお客様の体型を最も知り尽くした企業となり、そのデータを元に一人一人にピッタリの服を提供する、世界でも類を見ないファッション企業を目指します。 pic.twitter.com/xNvquY2TJ1
— Yusaku Maezawa 前澤友作 (@yousuck2020) 2017年11月22日
博物館は無料がいい? ~ロンドンから帰って考えてみる~
びっくりするくらい更新してなかった。笑
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先日ロンドン旅行に行ってきた。4泊6日、丸3日間はロンドンを満喫できる計算で、博物館と美術館にとにかく行った。
大英博物館、ロンドン自然史博物館、テートモダン。本当は他にも行きたかったけれど、それ以上はちょっと無理だった。3つともとても素晴らしかったけれど、時間がなくてつい駆け足になってしまった。残念。また行きたい。
とにかく驚いたのが、どれも入場料無料なんですね。特別展はさすがにお金かかりますが、通常はフリーで入れる。
テートモダンでは館内マップは「1£」と記載入りで、山積みのマップの横に募金箱。マップを手にした人はそこに募金。1£以上払う人ももちろんいる。強制じゃないから募金しないでしれっと持っていってしまう人もいるとは思うけれど、ある程度みんな払っているんじゃないかな?他の博物館もマップは有料(推奨?)な感じでした。
ロンドン自然史博物館はさすが技術が発展していて、スマホをタッチするだけで募金ができる機械があった。長身のお兄さんがさっそうとスマホをかざしながら入場していった。
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無料で入れるせいか、日本とは鑑賞スタイルがまったく違うな、という印象。
大英博物館はエジプトの大きな彫像コーナーが人気で、子供から大人までたくさんの人がいた。彫像の目の前の椅子にはスケッチブックを持った人がたくさん座り込んでいて、ずっとスケッチをしていた。小学生の社会科見学のようなのも何組もいて、みんな自由にプリントに書き込んだり駆け回ったりしていた。
自然史博物館は化石コーナーが子供たちに大人気。ファミリーがたくさんいて、お土産コーナーも盛り上がっている。広い廊下の両壁際には長椅子が並んでいて、ベビーカーを横に休憩している親もたくさん。廊下途中のスペースで学芸員がちょっとしたイベントをこまめに開催。化石の模型を見ながら「ほら、恐竜の歯ってこんなふうなんだよ~」という体験イベントをちょくちょくやっていて、強制されない学びの場があふれていた。
テートモダンは上2つとは異なって現代アートがメイン。ピカソやモネなど聞いたことある有名作品以外にも、新しい映像作品など現代アートももりもり。入口の解説文の中に「You don't have to like all the art.」と書いてあって、「なんていい言葉だ!」と感動したものです。建物自体もおしゃれで、窓際のソファスペースで外をぼんやり眺めながらPCをいじっている人、うたたねしている人、いろいろいました。
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日本の美術館・博物館はたいてい入場料がかかります。
上野の国立科学博物館で開催していた「運慶」展に行ったのですが、平日夕方でも30分待ち、かつ中はぎゅうぎゅう詰めでした。もちろん展示自体は素晴らしい。けども、お金を払って見学しているせいか、「一つも見落としてはならぬ」というような迫力で展示物の最前列をウゴウゴと進んでいく人たち。無料で見ることができるロンドンと違って、鑑賞する側に「必死さ」がありすぎて余裕がないな、と感じました。(もちろんすばらしい国宝が勢ぞろいだったからその気持ちは正しいのだ、けれど!)
特別展のチケットを買うと、常設展も無料で見れることが多い。けれど、特別展をしっかり見るとだいたい2時間はかかる。そこからちょっと休憩して「じゃあ常設展もいきますか」とはなりにくい(私はそれが多くて結局常設展あまり見たことが無い)。
じゃあある日わざわざ「常設展ふらっと見に行こう」というのも、なかなかならないんだな、これが(私の場合です)。
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東京に来てから、博物館の展示の豪華さ、面白さにハマってしょっちゅう行くようになりましたが、最近はお土産コーナーも充実、公式サイトも面白い仕掛けやコンテンツがたくさん、なかなか工夫しているなと思います。
ただ、「博物館や美術館によく行くんだよね」と言うと、「高尚な趣味だね」というリアクションが多い。インテリか?みたいな。
もちろん気軽に行ける場所だし、私以外にも気軽に何度も行って楽しんでいる人はたくさんいる。でも、なぜかデートや映画、遊園地、動物園とは並ばないスポット、そういう印象が「博物館・美術館」にはある気がするのです。日本では。
ロンドンはそんなことなかったけどね。カップルも、ファミリーも、たくさんいたし、ふらっと来たんだろうな、という人もたくさん。中でもおしゃべりを楽しんで、日本みたいに「静かにしなきゃ」という圧力もなく。普段から、行先の選択肢に入りやすいんですね。
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「とにかく無料にすればええがな」というのではなく、「無料で試してファンを作ってからモノを買わせる」って最近のトレンドじゃないですか。本でも音楽でもなんでも。無料で情報がいくらでも摂取できるこの時代だから、ファン作りの裾野を広げるために、入場料無料な日がもうちょっとあってもいいのかな、と思います。もう少し余裕ある心で楽しむこともしたい。
いろいろググっていたらそういう論文が見つかりました。博物館の成立や、博物館関連の法制度に関して研究している瀧端真理子さんという方でした。卒論書いてた頃よりも真面目に読んだw
日本の博物館はなぜ無料でないのか?
──博物館法制定時までの議論を中心に──
https://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=104058
ここに書いてありましたが、「週3日は無料」とかもいいかもね。あとロンドンの無料について、ギリシャとかからの文化財返還請求に対する免罪符、という考え方も書いてあって、そんな事情もあるのかと発見でした。
一応、日本の博物館法には「原則無料」と記載されているそうですよ。
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博物館とか美術館とか、もっと気軽にたくさんの人に行ってほしいし、そういう気軽な場所として思われたいし、そういうところに行くことがもっと気軽な趣味として認識されたいな、と思う次第です。
そして、興味関心のあることだったら真面目に情報収集できるんだな、と感じたこの頃です。
アルチンボルド展で野菜食べないとなと思った
「アルチンボルド展に行くんだ」と言うとほぼ全員に「なにそれ?」と言われたので「絶対見たことあるから!」と画面を見せて「あ~知ってる!」というのを3人くらいやりました。見たことあるでしょ、野菜でできた顔!
「バベルの塔」展に引き続き、ちょっとキモ面白い系でした。神聖ローマ帝国(懐かしい響き笑)が世界中の動植物を集めて教養に力を入れ始めたところだったので、アルチンボルドはそこで知った知識も含めて作品を作っていたようです。にしてもすんごい繊細!野菜とか動物とか植物を組み合わせて人間を作っているのに、無駄なスペースとか「ここ隙間空いてない?」みたいなのが一切ないのね。
影響を受けた後発の作家が同じようなものを作った、ということでその作品も展示されていたけれど、目のところが不自然だったり強引に要素をくっつけてたりと不自然になってて。余計に「アルチンボルドすげー」となりました。
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このところ暑くて溶けそうで、この土日はサボテンの引っ越し(植え替え)くらいしかしてない。根っこについた土を落として、爪の間に土が詰まるなんて子供のころ以来な感じがしました。引っ越し先にちゃんとなじむか、ママ心配です。
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「モノより思い出」と言いますが。最近写真とか日記とかが全部データ上に存在していて、「九州の大雨でPCぶっ壊れた人は大事な写真とかも戻せないのかな」と思いました。東日本大震災で写真(アナログなほう)を復活させるボランティアもあったけれど、「モノより思い出」と言ってモノとして残さなくなっていった思い出は、果たして本当にずっと残しておけるものなのか?人間は忘れる生き物ですからね。インターネットがずっと何十年も私のデータを取っておいてくれるかなんてわからないし、物理的なアルバムのほうが自分で管理しているし確実なんじゃないか…なんて最近思っています。
「モノに宿っている思い出」のほうが、最強?写真ピックアップして焼いておこうかな…「思い出保険」とか、出ちゃうのかしら。
やさいつながりで。
恋心わきてながるるPairsなりや
最近Pairsで恋人を見つけている人が増えている。自分の身近でもそんな事例がそこかしこに見られて、Facebookの広告に現れたころには「クソうさんくせー」と思っていたものだが「なんだかすみませんでした」と思ってしまうこの頃です。だって実際幸せそうだしいいじゃないの。でも仮に私が親に「ネットで彼氏を見つけました」と報告したらどんな顔をされるのだろうか…「お母さんだってお見合い写真で結婚したじゃないの、それと一緒よ」とでも言えばいいのかしらん。
Pairsユーザーにいろいろ聞くと、自分のプロフィールだけじゃなく「ご飯に行ったら割り勘派かどうか」といった「付き合い始めたら合わせておきたい価値観」的な設問とかもあるそうで、なかなかに気の利いたサービスなのである。でもよくよく聞くと「胸元が写った写真をUPしている女の子は『いいね』無双」ということで、男とはかくたるものかと思う次第です。
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『サピエンス全史』をようやく読み始めたのですが、これ面白いぞ(まだ全然だけど)。ホモ・サピエンスが他のホモ属のネアンデルタール人とかそういうヒト達を駆逐してしまったのか、ある意味混ざっていったのか、というまだその辺しか読んでないけど、十分面白い。普通の世界史とは違う生物学的視点が入っているからとてーも面白い。なんとなく猿人がいて、原人がいて、というふうに順番に進化してきたかのように思っちゃうけど、いろんなヒトが同時に存在していた!という説はすごく新鮮でした。
でも進化の過程でホモ・サピエンスだけが残ってしまったという背景にも「おっぱいが大きいメスは強い子孫を育てるゾ」というようなDNA刷り込みがあったんでしょうか。Pairsの話を聞きながら思った。オスとは、男とは。ヒト属250万年の歴史。
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 | ユヴァル・ノア・ハラリ, 柴田裕之 |本 | 通販 | Amazon
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小学生の頃にやった百人一首で、意味も分からず語感が好きだったのが「いつみきとてか」という早口言葉みたいなフレーズ。
みかの原 わきて流るる 泉川(いづみがは)
いつ見きとてか 恋(こひ)しかるらむ
改めて調べてみたけど、平安時代の恋模様はぶっとんでるのに文字化されてるから面白いぜ。いつみきとてか、いつみきとてか~。
【百人一首講座】みかの原わきて流るる泉川 いつみきとてか恋しかるらむ─中納言兼輔 京都せんべい おかき専門店【長岡京小倉山荘】
HUNTER×HUNTERでも「ん」から始まる言葉対決やってたぞ
最近は「教養」ブームですが、みなさんどうですか。
私が最近披露して感嘆された知識は「『ん』で始まる言葉は『ンゴロンゴロ国立公園』と『ンジャメナ』」でした。想像以上の反響でびっくりしました。小学生とか子供の頃にやらないかな?しりとりで負けない方法探すのって。ちなみに、ンジャメナはチャドの首都です。
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ビジネス書が読み進まないからまた小説を読んでいるけれど、最近はアプリもいいぞと。
ほぼ日がアプリ化して昔のアーカイブされた連載がランダムで表示されるようになったから、ユニークな対談に出会ってしまってとてもよい。NewsPicksも有料会員はブック機能で過去の連載が読めるから素敵。ほぼ日もNewsPicksも、1つのコンテンツが9回くらいの連載になっているから、まとめてちゃんと読むといいボリューム感。
https://newspicks.com/book/568
今更ながら「リーダーの教養」編を読んだけれど、押し付けがましくないのに納得いく話ばかりで面白かったです。頭のいい人は、何を話すにしろ抽象性と具体性(マクロとミクロというか)のバランスが取れていて、「すっ」と入ってくるよなぁー。
だいたい面白がられるのは、具体的な話をしたときだと思うのね。
***以下引用***
ヨーロッパの街を歩くと、あちこちでチェスをやっていますが、もし自分がチェスを知っていれば仲間に加えてもらえる可能性が生まれます。そうして一緒にチェスができたら、会話も生まれてきっと楽しいと思うのです。ですから、何かを知るとか学ぶとかいうことは、自分自身の人生の選択肢を増やすものなのです。
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