遠浅の好奇心

海・湖などで、岸から遠く沖の方まで水が浅いこと。そういう所。

禁煙者に「くゆらせる」ことはできないのか

4日連続更新したものの、酒を飲んだ日は書けませんでした。

あっけない。

毎日更新とか言ってた頃が懐かしい。

 

***

 

タバコって好きじゃない。

煙いし、においがつくし、身体に悪いし。

何がよいのかわからない。

 

でもつい先日、すごくおいしそ~うにタバコを吸うじいさんを見かけた。

(「あったか~い」のニュアンス)

 

近所の純喫茶ぽい、悪く言うと古臭い、よく言うと味のある喫茶店に行った。

ちょっと薄暗くて調度品がやや古びていて、メニューはパンケーキやコーヒーがメイン。

2階にあるお店に入ってみたら、窓際の4人がけテーブル席を案内された。

 

そのほか入ってくるのは近所の常連さん。

マスターならぬ「ママ」のようなおばちゃんと仲良く喋っている。

 

窓際に座る私の向かいに、もう一つテーブル席があった。

後から常連ぽいじいさんがそこに座り、「いつもの」という感じでコーヒーを頼む。

そしてまた、きっと「いつもの」なんだろうと思わせる素振りで本を読み始める。

 

そこでくゆらせるタバコはたまらなくおいしそうに見えた。

 

***

 

そこにはタバコのための時間があった。

忙しい合間に、ストレス発散のために、休憩時間にスパスパやっていそいそと仕事場に戻る、そんなタバコとは明らかに違った。

 

タバコの煙を吐くときに、本を読む手を止めるのだ。

本から目を離して、少し遠くを眺めながら上のほうへ

 

「ふぅ~っ」

 

と煙をくゆらせる。

 

煙も「吐き出す」ように力も入っていないし、

ただ「つけっぱなし」な煙という感じでもなく。

すごく呼吸と一体化している感じがした。

 

やめられないから吸っているわけでもなく、

ほんとうにタバコを味わっているんだなぁと、幸せそうに感じたのでした。

 

あんな時間の使い方ができるばばぁになりたい。

 

***

 

喫茶店のメニューはそこそこという感じだったけれど、

40年もののレジがすごく味があってアンティークぽくて素敵だった。

BGMのチョイスも店の雰囲気と合っていた。

コーヒーはそこそこだけど、空気感だけだったらもう一回行きたい。

 

タバコはきっと吸わないけど。