遠浅の好奇心

海・湖などで、岸から遠く沖の方まで水が浅いこと。そういう所。

閻魔様もハードワーカー

鬼更新。

 

…の勢いで、昼から書いてみようと思ったところで、いつから「鬼」は程度を表す言葉になったんだろうとか思う。

 

日本語って本当にめちゃくちゃというか、おおらかというか、てきとうというか、なんでも許してしまうところがあるなぁ。

その場で面白かったらなんとなく広がってしまうものなぁ。

でもそうすると「近頃の若者は…」みたいに言う人が必ず現れたりするもんだ。

 

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鬼といえば、『鬼灯の冷徹』という漫画を好きで買っている。

 

日本の地獄をコメディタッチで描いた漫画で、ドSの鬼が主人公のお話。地獄に限らず古事記や日本の神話、昔話などさまざまな知識がちりばめられていて、読んでいて「へぇ~」となりつつ面白い、という好奇心をちょいちょい刺激してくる漫画だ。あと作者が取り入れてくるシュールな突っ込みや世の中に対するこじらせた感じの視線が「ふふっ」とさせる。

 

モーニングで連載されています。今17巻まで出てるし、去年はアニメ化もされたのでそれなりに人気があるのかも。というか主人公の感じが腐った女の子たちに人気があるというのも原因かもしれないな。

 

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「死んだらどうなるんだろう」というのは幼い頃に誰しもが考えるテーマであって、「地獄に落ちたらまずい」というのはなんとなく共通認識じゃないかと思う。

「嘘をついたら地獄に落ちるぞ」なんて言われて、「やべぇあたしもう前に嘘ついちゃったから地獄行きじゃん、なんでもっと早く教えてくれなかったの」なんて思ったりしたなぁと思い出した。

それから嘘をつかないように頑張ってみたりもしたが、「もう間に合わない」と悟ったりもして次第に「死んだらどうなる問題」は考えなくなっていった。

 

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昔買っていた『小学一年生』という雑誌に『あさりちゃん』が連載されていて、そこでも『もし地球が滅亡したら』みたいなお話しがあった。けっこう印象的で隅から隅まで覚えている。

 

月が突然地球に落ちてしまって、地球の全人口が一気に閻魔様の審判を受けることになる。そこではみんな「リュック」をしょっていて、「そのリュックにはその人の人生が詰まっている」と教えられる。

 

あさりちゃんもリュックをしょっていたわけだけど、そのリュックがとんでもなく小さい。「私の人生これっぽっち?」というくらいに小さい。それをもとに閻魔様が審判をするというのだから、あさりちゃん焦る焦る。

 

するとものすごく大きなリュックをしょった男の子がしょんぼりと体育座りをしている。ちょっと暗い雰囲気の気の弱そうな男の子だったから、強気のあさりちゃんはその男の子からリュックをぶんどってしまう。

 

あさりちゃんには大きすぎるくらいのそのリュックを背負っていざ審判。そこで初めてリュックの中身を開けるわけだけれど、なんとそのリュックの中身は「非行・万引き・カツアゲ・タバコ・etc…」という不良の悪いこと盛りだくさんみたいなものだった。

 

あさりちゃんびっくり。

閻魔様激おこ。

 

あさりちゃんは弁解します。「私のじゃないの、あいつのやつなの」って。まぁぶんどったことを白状するわけだけれど、閻魔様さらに激おこですよ。

 

そうこうするうちに地球の全人口が「閻魔様まだですか~」とわんさか押し寄せていて、てんやわんやな状況。閻魔様はもうどうしようもなくなって「もうなかったことにする!」とまさかの時間を巻き戻し(笑)月が落ちるなんてなかったことに…

 

…そんなわけで平和な毎日がまた訪れるのでありました。

 

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あさりちゃんらしいハチャメチャ展開ですが、「リュックの大きさ」という設定がわかりやすく、また「大きければいいってもんじゃない」というのは子供にもすーっとわかりやすく入るようにできていて、とてもうまいなぁと思いました。

だってもう何年も経っているのに私が覚えているほどですし。

それだけ印象的だったってことでしょ。

 

地獄行きになるかどうかわかりませんが、自分が「このままじゃ地獄堕ちだぁ…」と暗くなるような生き方をしないように、毎日の選択肢を納得して選んでいけばいいのではないですかね。