三次元
久々に映画のような夢を見た。
現実とジブリと鉄腕DASHがごちゃごちゃになったような夢だった。
なんのこっちゃ。
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何かを生み出す人というのはすごい。「すごい」としか言えない自分がしょぼすぎるけど、本当にすごいと思うのだからしょうがない。
1を2にしたり2を10にしたりすることはちょっと頑張ればできるのだ。ネットで情報を漁って、さも自分が見つけてきたかのように知識をひけらかして、そんなこんなで新しい何かができることもあるかもしれない。
でも、0を1にしたわけじゃない。
0を1にする人は、孤独な戦いをしている人たちだ。
だって0なんだから。何もきっかけなんてないんだから。自分の中にしかないのだ。自分が1だと思えることは、その人にしかわからない。人から与えられたきっかけみたいなもので完成させることがあるとすれば、それは1を2にしただけで0を1にしたわけじゃない。
0を1にする人は、ストイックでなければ成り立たない。自分が納得するまで、これも違う、あれも違う、とやり続けて、妥協に傾く心と闘いながら、自分に鞭を打って、0から抜け出そうとする人たちなのだ。
1を2に、2を10にすることを悪だというわけではない。
ただ、平面的にしか広がらないということだ。
0を1にする人は、x軸だけじゃなくy軸方向に進んでいく。
ステージが上がっていく。
「わたし」という広がりが、立体的になっていく。
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ふと見たネットニュースが、いましがた私の中に嫉妬心のようなものを起こさせた。
最近調子に乗って少し立体的になってきていた「わたし」が、ぺしゃっとつぶれた。
些細なことに乱された自分が、しょぼかった。
もし、仮に、だとしたら。
そして、ゆえに、だからこそ。
息を整えて、0からまた始めることにします。
たてにもよこにも。