遠浅の好奇心

海・湖などで、岸から遠く沖の方まで水が浅いこと。そういう所。

共感までに時間がかかった

中学から高校にかけて、父親に対してやけに反抗的だった。いわゆる反抗期というやつで、何から何まで、父親の一挙手一投足すべてがムカつくという、今思うと本当に悪いことしたなぁという感じで笑


大きなケンカはしなかったけれど、イライラしてよくない態度だったなぁと。今は仲よいけれど。気づいたら抜け出してました。世のパパ予備軍の皆様、十中八九このときは来るから心の準備をしておいてね。


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父親は本をよく買う人だ。本棚は本でいっぱいだし、床にも机にも平積み、独り暮らしで実家を出た兄の部屋にも本が溜まり、反抗期の私は攻めやすいところで「さっさと片付けろ」とよく言ったものだ。「どうせもう読まないならブックオフにでも売っちまえばいいだろ」と言えば、父は「そのうち片付けっから」。それを受けて憎らしいことに「そういってずっとやんないでしょーよ」と言い返してしまう娘でした。
退職したら片付けると言っていた気もするが、今の実家にも相変わらずビジネス書やら雑誌やら、退職してからハマっている地元の歴史研究の資料やらで本だらけだった。


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そんな自分も最近本を気軽に買ってしまう。前に買った本を読み切らないうちに、あれも買っておこう、これも買っておこう、という具合に雑誌も小説も漫画も買ってしまう。おまけに特に雑誌は虫食い読みをしてしまうから、きっちり読みきらない本が溜まってきている。


でも捨てられないんだなぁ。この前新宿でやってた深夜寄席に行ったときに、半年前に買った雑誌ダイヤモンドの落語特集が役に経っちゃったもんだから余計に。


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いつだったか「本当は本が好きじゃなくて背表紙が並んでいることに悦に入っているだけじゃないか」と思ったときがある。その頃はやけに厭世的で劣等感が強かった時期で、自分のしていることにも常に懐疑的なネガティブ人間だった。今でも本が溜まるとそうよぎることもあるけれど、そんなことを考えていても仕方ないので「趣味嗜好アルバム」くらいの気持ちでいいかなという感じ。


ハズレだったなぁと思う漫画はすぐに売るし、欲しいと思って買った本はたとえ場所をとっても不満はない。


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日本の相対的貧困家庭、というのがさっきTVでやっていたけれど、そういった家庭の子供はスマホや自転車は持っているという。でも本にはお金をかけられないらしい。

本に恵まれた子供時代があったから今も本を読もうと思えるわけで、よい育ち方をした(させてもらった)んだと思う。だから今、父親の片付けられないことを昔ほどに責めることはできない。ま、今はもう責めようとも攻めようとも思ってないけど。

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