ってかさぁ。

この接続詞の続きはたいてい役に立たないけど、でも言いたくなることを書きためるブログです。

博物館は無料がいい? ~ロンドンから帰って考えてみる~

びっくりするくらい更新してなかった。笑

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先日ロンドン旅行に行ってきた。4泊6日、丸3日間はロンドンを満喫できる計算で、博物館と美術館にとにかく行った。

 

大英博物館、ロンドン自然史博物館、テートモダン。本当は他にも行きたかったけれど、それ以上はちょっと無理だった。3つともとても素晴らしかったけれど、時間がなくてつい駆け足になってしまった。残念。また行きたい。

 

www.britishmuseum.org

www.nhm.ac.uk

www.tate.org.uk

 

とにかく驚いたのが、どれも入場料無料なんですね。特別展はさすがにお金かかりますが、通常はフリーで入れる。

 

テートモダンでは館内マップは「1£」と記載入りで、山積みのマップの横に募金箱。マップを手にした人はそこに募金。1£以上払う人ももちろんいる。強制じゃないから募金しないでしれっと持っていってしまう人もいるとは思うけれど、ある程度みんな払っているんじゃないかな?他の博物館もマップは有料(推奨?)な感じでした。

 

ロンドン自然史博物館はさすが技術が発展していて、スマホをタッチするだけで募金ができる機械があった。長身のお兄さんがさっそうとスマホをかざしながら入場していった。

 

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無料で入れるせいか、日本とは鑑賞スタイルがまったく違うな、という印象。

 

大英博物館はエジプトの大きな彫像コーナーが人気で、子供から大人までたくさんの人がいた。彫像の目の前の椅子にはスケッチブックを持った人がたくさん座り込んでいて、ずっとスケッチをしていた。小学生の社会科見学のようなのも何組もいて、みんな自由にプリントに書き込んだり駆け回ったりしていた。

 

自然史博物館は化石コーナーが子供たちに大人気。ファミリーがたくさんいて、お土産コーナーも盛り上がっている。広い廊下の両壁際には長椅子が並んでいて、ベビーカーを横に休憩している親もたくさん。廊下途中のスペースで学芸員がちょっとしたイベントをこまめに開催。化石の模型を見ながら「ほら、恐竜の歯ってこんなふうなんだよ~」という体験イベントをちょくちょくやっていて、強制されない学びの場があふれていた。

 

テートモダンは上2つとは異なって現代アートがメイン。ピカソやモネなど聞いたことある有名作品以外にも、新しい映像作品など現代アートももりもり。入口の解説文の中に「You don't have to like all the art.」と書いてあって、「なんていい言葉だ!」と感動したものです。建物自体もおしゃれで、窓際のソファスペースで外をぼんやり眺めながらPCをいじっている人、うたたねしている人、いろいろいました。

 

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日本の美術館・博物館はたいてい入場料がかかります。

 

上野の国立科学博物館で開催していた「運慶」展に行ったのですが、平日夕方でも30分待ち、かつ中はぎゅうぎゅう詰めでした。もちろん展示自体は素晴らしい。けども、お金を払って見学しているせいか、「一つも見落としてはならぬ」というような迫力で展示物の最前列をウゴウゴと進んでいく人たち。無料で見ることができるロンドンと違って、鑑賞する側に「必死さ」がありすぎて余裕がないな、と感じました。(もちろんすばらしい国宝が勢ぞろいだったからその気持ちは正しいのだ、けれど!)

unkei2017.jp

 

特別展のチケットを買うと、常設展も無料で見れることが多い。けれど、特別展をしっかり見るとだいたい2時間はかかる。そこからちょっと休憩して「じゃあ常設展もいきますか」とはなりにくい(私はそれが多くて結局常設展あまり見たことが無い)。

 

じゃあある日わざわざ「常設展ふらっと見に行こう」というのも、なかなかならないんだな、これが(私の場合です)。

 

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東京に来てから、博物館の展示の豪華さ、面白さにハマってしょっちゅう行くようになりましたが、最近はお土産コーナーも充実、公式サイトも面白い仕掛けやコンテンツがたくさん、なかなか工夫しているなと思います。

 

ただ、「博物館や美術館によく行くんだよね」と言うと、「高尚な趣味だね」というリアクションが多い。インテリか?みたいな。

 

もちろん気軽に行ける場所だし、私以外にも気軽に何度も行って楽しんでいる人はたくさんいる。でも、なぜかデートや映画、遊園地、動物園とは並ばないスポット、そういう印象が「博物館・美術館」にはある気がするのです。日本では。

 

ロンドンはそんなことなかったけどね。カップルも、ファミリーも、たくさんいたし、ふらっと来たんだろうな、という人もたくさん。中でもおしゃべりを楽しんで、日本みたいに「静かにしなきゃ」という圧力もなく。普段から、行先の選択肢に入りやすいんですね。

 

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「とにかく無料にすればええがな」というのではなく、「無料で試してファンを作ってからモノを買わせる」って最近のトレンドじゃないですか。本でも音楽でもなんでも。無料で情報がいくらでも摂取できるこの時代だから、ファン作りの裾野を広げるために、入場料無料な日がもうちょっとあってもいいのかな、と思います。もう少し余裕ある心で楽しむこともしたい。

 

いろいろググっていたらそういう論文が見つかりました。博物館の成立や、博物館関連の法制度に関して研究している瀧端真理子さんという方でした。卒論書いてた頃よりも真面目に読んだw

 

日本の博物館はなぜ無料でないのか?
──博物館法制定時までの議論を中心に──

https://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=104058

 

ここに書いてありましたが、「週3日は無料」とかもいいかもね。あとロンドンの無料について、ギリシャとかからの文化財返還請求に対する免罪符、という考え方も書いてあって、そんな事情もあるのかと発見でした。

一応、日本の博物館法には「原則無料」と記載されているそうですよ。

 

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博物館とか美術館とか、もっと気軽にたくさんの人に行ってほしいし、そういう気軽な場所として思われたいし、そういうところに行くことがもっと気軽な趣味として認識されたいな、と思う次第です。

 

そして、興味関心のあることだったら真面目に情報収集できるんだな、と感じたこの頃です。