遠浅の好奇心

海・湖などで、岸から遠く沖の方まで水が浅いこと。そういう所。

東京都庭園美術館②旧朝香宮邸の美しさ、うらやましさ

東京都庭園美術館に先日行きましたが、建物自体がとても美しくて見惚れてしまって、展示と建物とで感動が二倍になったようなお得な気分になりました。

 

建物の何がそんなによかったかと。詳細はHP見てくれればよいのだが。

www.teien-art-museum.ne.jp

ぜひ実際に足を運んでいただきたいです。

HPにあるように、建物自体ができたのは昭和8年(1933年)。フランス人の芸術家・建築家、そして宮内庁の技師たちが創り上げた、アール・デコ様式の美しい洋館です。

 

他にも東京には、三菱財閥を興した岩崎弥太郎のお屋敷である旧岩崎邸など、モダンなお屋敷がそこかしこに残っています。

文京区 旧岩崎邸庭園

 

岩崎邸も行ったことがあります。ゴージャスで、荘厳で、明治にこんな建物と庭園を造ったのかとびっくりしたものです。重厚ってこういうことかーっていう。

 

庭園美術館の旧朝香宮邸は、皇族のお屋敷。時代も昭和で少し新しいこともあり、岩崎邸とは印象が違いました。

 

岩崎邸はなんというか、「どうだ、この屋敷はすごいだろう!」と見せつける感じがあるんですね。「おお、確かにすごいっす、、、」と言わざるを得ないというか。素敵なんだけど、威圧感もあるというか(個人の見解です)。

 

朝香宮邸は、それとは違う。「自分で本当に住みたいおうちを、こだわってこだわりぬいて創りました」という感じ。そこで暮らすことになる自分自身の居心地のよさや、建物自体の美しさに自分で嬉しくなりそうな感じというか。訪れた人、建物を見る人ではなくて、住む人自身を第一に考えているんだ、という印象を受けます。

 

建物の設計に朝香宮自身がどこまで関わっていたのかはわからないけれど、「この家で暮らすのだから、暮らしたい家をこだわりたい」という気持ちが伝わりました。

 

なんでそこまで感じたか、というと。行けばわかる←

と言ったらおしまいなので、いくつか思い出しながら。

www.teien-art-museum.ne.jp

 

と言っても、HPにかなり詳細に各部屋の特徴が書いてあった!

各部屋の写真をぱらぱらと見てもらうだけでもわかるんだけど、照明が各部屋ごとに形が違うんですね。そのすべてがおしゃれ。素敵。美しい。食堂の照明はパイナップルとザクロがモチーフになっていたりと、部屋ごとの特色を出しているのがまた素敵。

 

通気口として天井に透かし彫りのような穴が開いているのだが、各部屋の照明デザインと合わせて穴のデザインも素敵になっていてこれまた美しい。天井見るだけでかなり感動します笑

 

部屋ごとに壁紙も、照明も、床も、かなり違っているのに、ちぐはぐな感じはしないのはなぜなのだろう。レリーフで飾られた部屋もあれば、モダンなデザインの壁紙の部屋もあったり、絵で飾られた部屋もあり。どの部屋に行っても「うわぁ…!」と思ってしまうのです。

 

そして第一階段が一番テンション上がります。

大理石の美しさ、段々になるレリーフの美しさ、そして階段を登り切ったところにある照明柱の美しさ(もはや美しさしか言ってない、語彙力w)。ドレス着て歩いてみたくなりますね。舞踏会です、みたいな体験したくなります。

 

暖房器具のラジエーターカバーというものがあって、暖炉の前の柵など各部屋にあるのですが、それも全部装飾が施されていて。もう、手抜きがない。こだわれるところは全部こだわっちゃってるもの。

 

そして2階の書斎。建物の角部屋にあたることを活かして、家具の配置や照明を工夫していることもあり、八角形の部屋みたいに感じるんです。そこに配された机も素敵。絨毯が八角形になっていて、均整がとれた美しい部屋ってこれかな、っていう。こういうお部屋で読書したい、お手紙書きたい。

 

書斎の隣に書庫が併設されていて、その部屋から見える庭園の緑がまた美しい。この建物からは窓から緑の木々、芝生が目に入って、都会であることを忘れてしまいそう。

 

もう挙げればきりがないのですが、とにかく美しいお屋敷でした。庭園も広くて、芝生広場だけでなく、日本庭園もありました。外から見る建物自体もまた、いい。

 

ここまで「美しい」を何回言ってるんだって感じですが、建物にこんなに感動したのは初めてだったかもしれない。押しつけがましくない感じ、私以外の方にも伝わるだろうか。本当にここに人が住んでいたのか、と思うような豪華さですが、「暮らしのための家です」という感じもするんだよね。

 

HPの写真はごく一部でしかないので、ぜひ一度行ってみてください。

天井から壁から床から隅々まで、きっと溜息しちゃうわ。