ライダースジャケットがもたらすご機嫌な一日
ライダースジャケットを買った。
バイクなんて乗らないし、自分の普段のファッションの中でも異質なものだ。
でも、少し前にお店で見かけてからどうにも気になってしょうがない。
何日か経つうちに、「ああ、これは買う運命なんだ!」という気持ちにすらなってきて、とうとう買ってしまった。
自分としては安くない買い物だった。ちょっと勇気が必要だった。でも、試着して、そのまま購入。嬉しくて嬉しくって、お店の前で店員さんに写真を撮ってもらった。今日着ていったアウターを片づけて、買いたてほやほやのライダースを着て街をぶらぶらした。嬉しくてテンションが上がって、「みんな、買ったよ、見て!」という気持ち。
買う前から、買ったらどうしよう、どの服に合わせようかな、メイクも少し変えたほうがいいかしら、そんなことを考えて楽しかった。買ってないのにイメージでここまで楽しくさせてくれる服なら、買うべきだと感じた。
買いに行くとき、買ったらもうそれを着てそのまま街を歩こうと決めていた。買うつもりのライダースに合わせて服を選んで、いつもより濃いめのリップを塗った。なんだか気合が入った。そうか、メイク一つで気持ちってこんなに変わるんだっけ。
足取りが気持ち速くなる。歩幅が大きくなる。肩で風を切る。胸を張る。
「今から私は大きな買い物をするんです。」
そう顔に書いてあったかもしれない。
まっすぐ帰りたくなくて、街を無駄にぶらぶらした。お昼もおいしいものを食べた。なんだか自信があふれた。読みかけていてなかなか進まなかった本が、今日はカフェでサクサク読めて読み終わった。お天気もよくて暖かくて、私が今日このライダースを着ても寒くない、そんな適温に神様がしてくれたように思えた。
そう、今日はひたすらご機嫌で、何もかもが嬉しい日だった。
何もかもが自分に味方している、そんな気分だった。