遠浅の好奇心

海・湖などで、岸から遠く沖の方まで水が浅いこと。そういう所。

野菜炒めに感動した日~『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』~

みなさん、この本はご存知ですか。

『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(有元葉子)

https://amzn.to/2I8bVui

 

タイトルどおり、単なるレシピ本じゃありません。

この本では、レシピを見ずに料理を作れるようになるために知っておきたいことを、調理法別に紹介していきます。
レシピを見ずに自分の感覚を使って料理をすれば、簡単だし、ずっとおいしい。
材料は目分量、調味料も計らなくて大丈夫。 

解説にある通り、「そもそも料理をするときに大事にすべき感覚は何か」を教えてくれます。もちろんそれを試せるように、レシピも載っています。そのため実際に料理を試して、自分の料理感覚を調整することもできます。

 

先日玉ねぎが家に余っていたので、ほうれん草と豚肉、玉ねぎのシンプルな野菜炒めを作りました。味付けは塩と醤油のみ。この本の「野菜を炒める」の章に書いてあったポイントだけ抑えて、味を見ながら作りました。あまりにおいしくできたので、「これだけシンプルなのにこんなにうまみがでるのか」と自分の腕に驚いた。せっかくなので抑えたポイントを書いておきます。

(ものすごく低レベルな話かもなので、普段料理する人は読まなくてもいいです笑)

 

①野菜を水に漬けておく。

「水分不足だから野菜が焦げるのです」と書いてありました。料理をする前に野菜に水を吸わせてシャキシャキにする必要があるとのこと。その水分がうまみに繋がるそうな。

私は、ほうれん草と玉ねぎをボウルに貯めた水に漬けておきました。30分ほどYoutube見てだらだらして、そこから調理開始。玉ねぎは半玉、ほうれん草はスーパーで買った一袋をまるまる使いました。玉ねぎは冷蔵庫に数日置いてあったのですが、水分を吸わせたら気持ち若返ったような。ほうれん草もスーパーでしなしなになっていたのが少し元気になった感じ。

 

②フライパンはかんかんに熱する。

これけっこう基本らしいのですが、フライパンは煙が立つくらいに熱くしておくそうです。知らなかった。大抵のレシピ本には、レシピや料理の過程ごとに強火とか弱火とか書いてありますが、それって結局いちいちレシピを見ないと火加減ができないということ。「野菜を炒めるときはフライパンをかんかんに熱してから」という公式のようなものって、案外教わる機会がなかったです。なぜ今熱するのか、そこがわかると「なるほどな」となります。なるだけ高い温度で野菜の中の水分を熱する必要があるそうです。なるほど。

 

③肉と野菜だったら順番に焼く&味付け。

お肉と野菜の炒めものの例としてレシピが載っていたので、それに則って作りました。

 まず野菜に軽く火を通す

 →塩で軽く野菜に味付け

 →野菜をフライパンから出す

 →肉を焼く

 →醤油で肉に味付け

 →野菜をフライパンに戻して全体を炒める

肉の味付けがちゃんとできていれば、野菜自体の味も相まって全体的に味はつく。肉に味をつけてから野菜を投入して、その段階で味を見て調整しました。確かにこうすると、味付けが濃すぎることにもならずよかったです。火もバランスよく通りました。(本には肉の味付けのポイントも書いてありますが割愛します、気になったら買って読んでね)

 

④かき混ぜすぎない。

かき混ぜるとまんべんなく火が通ってよさそうな気がしますが、フライパンの中の温度が下がって火の通りが悪くなるらしい。ぐっと我慢して、ひっくり返す程度に。

特に野菜ですが、今回の玉ねぎ半玉とほうれん草一袋というのはけっこう量がありました(強引)。一気に入れると重なり合って火が通らない。そのため火の通りが時間がかかりそうなものから順番に焼きました。

 ほうれん草の堅いところ

 →玉ねぎ

 →ほうれん草の葉

という順番。後から「玉ねぎ先にすればよかった…」と少し後悔。そんなに問題なかったけど。ほうれん草の葉も火が通ると縮むので、フライパンの中にちゃんと収まりました笑 野菜がなるべく重ならないようにちょっとずつ菜箸で位置を調整。

ちゃんとフライパンの中を見ていたので焦げることもなく、かき混ぜすぎなかったおかげで短時間で火が通って野菜も色鮮やかに。自分は食材を焼きすぎる癖があるので、気持ち早めに火を止めるように心がけたらちょうどよかった。いつも「もう少し焼いたほうがいいかな」と思って焦げるんだよね。今回は反省を活かせました。この積み重ねが料理の勘につながるのか。

 

⑤味付けは焦らない。

この通り本に書いてあったわけではないのですが、本当にそうだなと。最初に調味料を入れすぎると取り返しがつかないものね。ちゃんと自分の味覚を信じることが大切。味を見て、自分の好みの味にしていくプロセスを楽しむということ。

 

だいたいこんなところでしょうか。ほうれん草の緑も鮮やかに、玉ねぎは飴色に。豚肉にちょっと味付けした醤油の風味と野菜のうまみがマッチしてとてもおいしくできました。箸が進む進む。食いすぎたわ。

 

一人暮らしだと材料が余りがちので料理は敬遠しがちでした。でもこの本で言うように「料理のポイントを抑えて、手元にあるものでシンプルに作る、それでいいのだ」と言ってもらえたのがとても励まされました。一品料理でいいじゃない。手が込んでなくたっていいじゃない。

 

この本ではもちろん野菜の煮方、肉・魚の調理法、ポイントもしっかり書いてあります。自分はまだそんなに実践できていませんが、炒めものはすぐ簡単にできるのでぜひ試してみてほしいです。本は読みものとして面白いし。エッセイみたいになってます。肩の力を抜いてね、と優しく語りかけてくれます。

 

まず自炊のハードルを下げることから始めたいっす。コツコツ積み重ねて、煮物とかもちゃちゃっと作れるようになったらいいなぁ。