遠浅の好奇心

海・湖などで、岸から遠く沖の方まで水が浅いこと。そういう所。

切り上げどき

文章を書くのがそこそこうまくなったと思っていた。

というより、思い込んでいた。

 

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小説を久々に読み始めた。古本屋で見つけた松本清張推理小説はもともと好きなのだ。

 

舞台は昭和30~40年頃、会話表現も少し古い。女の人の話し方、ちょっとした冗談の言い方、当時使われていただろうフレーズなどがそこかしこに見られる。地名も古いから、一瞬どこの話かわからなくなる。土橋、田村町、なんて言われてもすぐに銀座とはわからない。

 

でも読める。少し調べたりはするけれど、読める、状況がわかる。

 

一文一文がいいところで切れているのだ。5W1Hなんて言うけれど、まさにそうだ。一文が持つ意味が限定されているから、頭の中で状況を想像しやすい。

 

「小気味よい」とはこういうことか、と、まだまだ序盤にも関わらず感じている。

 

何が「小気味よい」かうまく言えない。

それは、今自分が、文章を短く切ることに意識を置きすぎているから。

 

少しは読みやすくなっただろうか。

だが、言葉を削ぎ落としすぎて、文章の意味が薄まっている。

バランスが難しい。