諭吉が瞬間移動した
買い物をするときの金銭感覚が変わってきた。前よりも欲しいものを「すとん」と買うようになったというか。あんまり逡巡しなくなった。働くようになってある程度余裕が出てきたのもあるとは思うけれど、こんなふうに自分がなるなんて、ちょっと思っていなかったなぁ。
冬物のコートが欲しくなって買い物へ。思い切って買った。今までひとつの服にかけた金額で、一番高い買い物だった。「アプリのオリガミを使うと割引です」と言われて即DL。(そういうところはちゃっかりしている)
アプリにカードの情報を登録したら、Bluetoothをオンにするだけで決済が終わる。けっこうな金額使った気がしたけど、暗証番号もサインもなく「ぴろぴろりーん」みたいな音がしてお金が出て行った。領収書はメールで届く。
お金を使う行為がどんどんあっけなくなっていく。それに適応していく自分が怖い。
でもそういう「見えないお金」が世の中のスタンダードになっていくのかしら。結局お金って概念でしかないから、もともとの姿に戻っているのかもしれないね。
500円玉握りしめて『小学一年生』を買いに走ったあの頃はもう遥か彼方なのよ。
…と思って調べたら今って500円玉だけじゃ買えないの?
あの頃はいくらで買ってたっけな。
伊藤計劃の『ハーモニー』なんていうエッジの効いた近未来SF読んじゃってるから、見えないものについて余計考えちゃうぜ。