遠浅の好奇心

海・湖などで、岸から遠く沖の方まで水が浅いこと。そういう所。

箇条書き日常

最近は

 

・風邪をひいたのでこの週末はおとなしくしてました。痰が切れなくておっさんみたいな咳してた。だいぶ治ってきた。

 

サボテンの花が咲いた。もう育て始めて7年目くらいかしら。愛着がすごい。桜に負けてない(我が家調べ

 

・春は服の切り替えが難しい。暖かかったり寒かったり気温の変化が激しいし、夜はまだ肌寒いし。ちょっと厚着してコート無しで出かけるのか、春物コートを出すべきか、悩ましいところ。そうこうするうちに日差しが強くなり、日焼け止めのCMが流れ(もう流れてるか)、コートも要らなくなるんだろう。

 

・動画編集できるアプリを使ってみた。スマホで撮った動画をトリミングできて、BGMやテロップもつけられる。スマホ1台でこんなに簡単に動画編集できちゃうなんて、PCの今後はどうなるのかと思いを馳せた。PCは専門職の人しか持たなくなったりして。

 

・病院で「あなたの考えているようには他人は考えていません」と言われた。当たり前だが難しい。自分で「きっとこれが正しいだろう」「こうあるべきだろう」と思い込んで、うまくいかないと自分を責める、それは視野が狭すぎる。わかったつもりでわかってなかった。必死になるほど、人は内向きになってしまう。すぐに変えられるかというと難しいけれど。

 

・Aマッソという女芸人コンビがいる。この人たちの漫才は面白い。言葉遊びの切り口がすごい。ボキャブラリーの多い人にハマりそう。大衆受けは難しいかも、ネタが高度すぎて瞬間的に理解できないときがあるから(自分のことを高尚って言ってる風だけどそうじゃない、本当にたまについていけないんだ)。コントも面白い。最近はTV出てるのかしら。まぁたいしてTV見てないんだけど。

 

NHKのコント番組LIFEは欠かさず見ている(TV見てるんかい)。この前やってたQUEENのコントは見た目のクオリティが高くて面白かった。プロ根性を感じた。シソンヌのじろうは本当に演技力が高い。でもやっぱり好きなのはゲスニックマガジン西条です。

 

鉄腕DASH見ながらTwitterを見ると視聴者の盛り上がりがアホみたいな速度で伝わってとても楽しい。画面キャプチャのあがる速度たるや。

 

・自分は眉毛がとても薄い。描かないとほぼ見えない。なのにいつまでもうまく描けない。濃すぎるよりはいいかもだけど。あと薄いくせにまぶたの微妙なところに1本だけ生えてくる眉毛なんなん。そのくせ毛抜きで抜くと地味に痛いのなんなん。メインストリームに生えろよ。

 

・この前渋谷streamをのぞいてきた。東横線の線路が残っていた。渋谷も下北沢も上京当時の面影なんてどこかに行ってしまった。街ってこんなにすぐに変わる?水戸駅前のLIVIN跡とかずっと空き地なんだけど。駅前なのにコンクリ剥き出しなんだけど。東京ってすごいね。

 

・花粉症の人には申し訳ないけど、花粉症じゃないです。

 

・近所のインドカレー屋によく行く。インド人が拙いけどかわいい日本語で接客してくれる。客の人数に比して店員がいつも多すぎる謎。ナンが食べ切れなくて、残した半分をいつも持ち帰りにしている。先日とうとう、こちらからお願いする前に「モチカエリ?」と聞かれてナンがアルミホイルに包まれた。あんなに店員が多くて入れ替わりも激しい(気がする)のに顔を覚えられている。しょっちゅう行ってるから仕方ないにしても、裏であだ名とかつけられてないかな。「またあのチビがきたぜ、ハッハァ」とかヒンドゥー語で笑われてないかな。どきどき。きっと彼らはいい人。どきどき。

 

・まわりがみんな、NetflixAmazonプライムを見ている。自分は加入したら生活が破綻するのが目に見えているので、加入してなるものかと思っている。睡眠時間が吸い取られること必至。youtube中川家の動画見てるだけで1日終わったりするのに、いわんやサブスクをや。

 

Googleアナリティクスをブログに導入して一ヶ月ほど経った。たいして更新も分析もしてないけど、なぜかオーガニックで流入する記事がある。「小指が立つのと同じくらい実は人差し指も立っている」というタイトルの記事である。なんとこれ、記念すべき私のはてなブログ初投稿記事。世の中の人は「人差し指 立つ」で検索して私のブログに流入しているらしい。まじでどうでもいい。でも立つよね、人差し指。

 

・親指のささくれ、いじりがち。

 

・布団の毛布を減らそうか迷う。最近、起きたら掛け布団が床に落ちてることがあって、我ながら自分の寝相にビビる。暑いのかなぁ。でもまだ寒い日あるしさぁ。寝る環境を整えるのは大事だけど、何がベストかいまいちわからん。枕しかり。

 

・この長文投稿の誤字脱字チェックで読み返してたらLINEの通知が来て声を出してびっくりした。それだけ集中してた自分にもびっくり。しいたけ占いが読みたいがために友達登録したVOGUEだった。しいたけ先生、月曜更新の占い、もうちょい早く更新してもらえませんか。占いって朝見たいじゃないの。

 

・明日からの運勢に期待。

ユニーク、独特、「何故か面白い」:奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド@東京都美術館

東京都美術館で「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」という展示を見てきました。

kisou2019.jp

以下、HPより引用。

美術史家・辻惟雄氏(1932〜)が、今から半世紀近く前の1970年に著した『奇想の系譜』。そこに紹介されたのは、それまでまとまって書籍や展覧会で紹介されたことがない、因襲の殻を打ち破り意表を突く、自由で斬新な発想で、非日常的な世界に誘われる絵画の数々でした。それから半世紀近くたった現在では、かつては江戸時代絵画史の傍流とされてきた画家たちが、その現代に通じる革新性によって熱狂的ともいえる人気を集めています。

本展では『奇想の系譜』で取り上げられた6名の画家、岩佐又兵衛狩野山雪伊藤若冲、曽我蕭白長沢芦雪歌川国芳の他に白隠慧鶴、鈴木其一を加えました。

8名それぞれの画家の作品を厳選し、近年の「若冲ブーム」、「江戸絵画ブーム」、ひいては「日本美術ブーム」の実相をご存じの方にも、またこの展覧会ではじめて魅力的な作品に出会うことになる方にも、満足していただける内容を目指しました。現代の私たちの目を通して、新たな「奇想の系譜」を発信することで、豊かな想像力、奇想天外な発想に満ちた江戸絵画の新たな魅力を紹介します。 

 

長々と引用しましたが、とにかく奇想天外の「奇想」です。ユニークな絵がいっぱいでした。

伊藤若冲は最近ブームになっているので名前を聞いたことがあるのでは。逆に、名前は知らなくても「この絵見たことある!」という作品もあるはず。エッジのきいた作品がごった煮のように並べられて、とても楽しい展示でした。

 

会場では、8人の作家の展示スペースが順番に並んでいました。1人ずつ作品群を見ていく形。展示スペースの頭に作者のプロフィールや作品の特徴、後世に与えた影響などがまとめてあります。そこでそれぞれの特徴を頭に入れてから作品を見ると、なるほどなぁとなるわけです。

展示作品は絵がメインですが、ダイナミックな屏風が何点も飾られていて迫力があります。普段はお寺の襖になっている襖絵も展示されていて、思わず離れて全体像を楽しみたくなる。近くで繊細な技を見てもよし、ダイナミックな迫力を離れて味わうもよし、いろんな見方で楽しめる。

多少混雑していましたが、ガラスに張り付かないと見れない、というほどの混雑でもなく。また作品がまぁまぁ大きいので皆さんそれぞれの視点で鑑賞しており、ある程度動き回ることができました。私が行った日があいにくの雨で、少し混雑緩和してたかもだけど(気のせいかな?)。

以前開催されていた「禅」がテーマの展示、渋谷の文化村で開催された歌川国芳の展示に行ったこともあり、今回いくつかの作品に再会できました。それも嬉しい体験だったなぁ。また会えたね!って感じ。(ちなみに以下の展示です)

www.tnm.jp

www.ntv.co.jp

 

8人それぞれの作家の詳細は公式HPにしっかり記載されているので、自分が気になった作品をいくつか。 

 

■《相馬の古内裏(そうまのふるだいり)》歌川国芳

作家と作品 | 【公式】奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

↑こちらのリンクの2枚目

ガイコツで有名な1枚。前に文化村で見たことがありましたが、何度見ても迫力がある。おどろおどろしさ。絵自体はそんなに大きくないのに、ここに広がっているファンタジーな世界は「どん!」と来るものがあります。ちなみにこの大きなガイコツを操っているのは、絵の左側にいる瀧夜叉姫(たきやしゃひめ)という女性。妖術を操るこの人は、平将門の子供(伝説上の人物です)。真ん中にいる武士がそれをやっつけにきた、という場面です。

 

■ 《達磨図(横向き達磨)》白隠慧鶴

作家と作品 | 【公式】奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

↑こちらのリンクの3枚目

タイトル通り、達磨の横顔。筆で荒々しく描いているのに、なぜか愛らしい気もするのは私だけ?ちょっと見た目は怖いけど、話したら気のいいおっちゃんなんじゃないか、そんな風に思ってしまいます。書いてある字は「どふ見ても」だそうです。

白隠慧鶴は達磨など禅画をたくさん描いたお坊さん。他にも達磨像がいくつかありましたが、どれも個性的かつユニークで面白かった。

 

■《夏秋渓流図屏風》鈴木其一 

作家と作品 | 【公式】奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

↑こちらのリンクの2枚目

これPCやスマホで見るとあまりわからないんだけど、青がめちゃくちゃ鮮やかで綺麗なんです。ここまでビビットにしちゃってよかったの?!って驚くくらい明瞭な青。水が手前に押し寄せてくるように感じます。金箔のきらきらする背景の一方で、塗りつぶしました!って感じの群青のギャップがすごい。

 

■《富士・三保松原図屏風》曽我蕭白

作家と作品 | 【公式】奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

↑こちらのリンクの4枚目

右側の虹の遠近感にすごく違和感があって引っかかる。左端には頂上が独特な富士山。錯視のような感覚になる。面白いな~

 

■ 《白象黒牛図屏風》長沢芦雪

作家と作品 | 【公式】奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

↑こちらのリンクの1枚目

これめちゃくちゃでかい屏風です。途中はほぼ真っ白orほぼ真っ黒。象のボディと牛のボディ。離れて見ると、黒と白の対比が面白い。色がくっきりはっきりついているわけではないんだけど。そして奇想の系譜展公式Twitterアカウントのサムネイルにもなっている、牛にちょこんと寄り添う白い犬は必見です。ポメラニアンか!とネットがざわついているw すごく現代的にかわいいww

 

■《唐獅子図》曽我蕭白

作家と作品 | 【公式】奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

↑こちらのリンクの5枚目

これもでかい!そして迫力!破天荒ってこういうことねって感じ。阿吽の声が聞こえてきそう。ダイナミックでかっこいい。筆の勢いが見える。

 

 

他にもいろんな作品がたくさん。このサイトも絵が見やすいかな。

www.artagenda.jp

 

たぶん伊藤若冲だったのですが、虎の絵がありまして。でもどうにも肩まわりや足が猫っぽくないというか、人間ぽい。笑 実物見たことなかったんだろうなあ…。なんだかバランスが悪くて、ある意味珍しいものを見た気分。

 

『洛中洛外図』もありましたが、もう細かすぎて見えないw あれはガラスに張り付いてじっくり時間かけて見ないと楽しめないね。混雑のため自分は諦めて流し見…。『ウォーリーを探せ』に近いものがある←

 

Eテレの人気番組『びじゅチューン』の元ネタになっている絵もいくつかありました。

『武蔵の遅刻理由』『龍虎旅館』『洛中洛外シスターズ』という曲はぜひ聴いてみよう!今回の展示に関係あります。

www.nhk.or.jp

 

ざっと箇条書きと余談でまとめました。相変わらず長い。

公式サイトや検索して出てくる画像以外にも、大きなもの、繊細なもの、ユニークな作品がたくさんあります。展示替えもあるようですし、ぜひおすすめします。アートの細かいことを知らなくても、絵自体で楽しめるはず。色がビビットだったり構図が独特だったり、とにかくインパクトが強かったり、必ずどこかに目が取られますので。

 

写実的で美しいとか、荘厳だとか、そういう絵ももちろん素晴らしいけれど。「なんでこうしたんだ」「これどういうこと?」「なんだかよくわからないけど面白い気がする」そういうアートはとても好きだなぁ、と再確認しました。

おしまい。

ライダースジャケットがもたらすご機嫌な一日

ライダースジャケットを買った。

バイクなんて乗らないし、自分の普段のファッションの中でも異質なものだ。

でも、少し前にお店で見かけてからどうにも気になってしょうがない。

何日か経つうちに、「ああ、これは買う運命なんだ!」という気持ちにすらなってきて、とうとう買ってしまった。

 

自分としては安くない買い物だった。ちょっと勇気が必要だった。でも、試着して、そのまま購入。嬉しくて嬉しくって、お店の前で店員さんに写真を撮ってもらった。今日着ていったアウターを片づけて、買いたてほやほやのライダースを着て街をぶらぶらした。嬉しくてテンションが上がって、「みんな、買ったよ、見て!」という気持ち。

 

買う前から、買ったらどうしよう、どの服に合わせようかな、メイクも少し変えたほうがいいかしら、そんなことを考えて楽しかった。買ってないのにイメージでここまで楽しくさせてくれる服なら、買うべきだと感じた。

 

買いに行くとき、買ったらもうそれを着てそのまま街を歩こうと決めていた。買うつもりのライダースに合わせて服を選んで、いつもより濃いめのリップを塗った。なんだか気合が入った。そうか、メイク一つで気持ちってこんなに変わるんだっけ。

 

足取りが気持ち速くなる。歩幅が大きくなる。肩で風を切る。胸を張る。

「今から私は大きな買い物をするんです。」

そう顔に書いてあったかもしれない。

 

まっすぐ帰りたくなくて、街を無駄にぶらぶらした。お昼もおいしいものを食べた。なんだか自信があふれた。読みかけていてなかなか進まなかった本が、今日はカフェでサクサク読めて読み終わった。お天気もよくて暖かくて、私が今日このライダースを着ても寒くない、そんな適温に神様がしてくれたように思えた。

 

そう、今日はひたすらご機嫌で、何もかもが嬉しい日だった。

何もかもが自分に味方している、そんな気分だった。

遠くて近いともだち

ある程度距離がある友人と久々に会うと、意外と深い話ができてしまう。周りに言えない悩み、コンプレックス、数年抱えるわだかまり、苦い思い出。日常的に会う人間関係では話しにくいことが、不思議と軽いトーンで話せてしまう。一方で、普段のコミュニティでそんな話をしたら、次の振る舞いにお互い気を遣ってしまう。だから深い話はなかなかしない。


コミュニティが重ならないのに、あるいは関係性がある程度薄いのに、繋がれるSNSはすごいなぁと思う。自分は、知り合った当時はそんなに深い仲ではなかったのに、SNSで繋がってから付き合いが深くなった友人がいる。自分がSNSに感情を垂れ流しているせいもあるけれど、自分に好奇心を持ってもらえる機会が、対面せずともできている。


そういう友人はいい意味でお互いのバックグラウンドを共有していないので、先入観が無い状態で話せるのだ。長年を過ごした友人ももちろん大切だし、一時期濃い時間を過ごした友人もかけがえのないものだろう。でも「知らない」から気楽という関係性って、大人になると重要だなとも思う。関係性が増えたり濃くなったりするほど、フラットに話せないものだ。肩書きや過去の思い出フィルターが働いて、今の自分をフラットにさらけ出しあうのは難しい。


大人になると、出会ってからの結婚スピードが早いエピソードをよく聞く。最近話題の玄米婚もそうですが、大人になればなるほど、長い知り合いじゃなくてもフラットに話せて楽しい、そういう関係性がすごく心地よくなるのかもしれない。


友達や周りの人に、フィルターかけてないですか?フィルター感じてませんか?意外な繋がりの友人に連絡すると、新鮮でおすすめです。

古民家の街とアートの風@ANDO MUSEUM、直島ホールなど~瀬戸内旅行より~

先日、瀬戸内に行ってきました。

本日は、直島の本村港のエリアについて。

※以下瀬戸内関連記事です。

habitaso.hatenablog.com

habitaso.hatenablog.com

habitaso.hatenablog.com

 

本村港は直島の東側です。古民家を活かしたゲストハウスやアート施設などがあります。町役場や郵便局もあるので島の中心なのかしら。

benesse-artsite.jp

 

いくつか回ったものをご紹介。

 

■ANDO MUSEUM

安藤忠雄の設計による打ち放しコンクリートの空間が、本村地区に残る築約100年の木造民家の中に新しい命を吹き込んでいます。過去と現在、木とコンクリート、光と闇。対立した要素が重なり合う、小さいながらも安藤忠雄の建築要素が凝縮された空間です。安藤忠雄の活動や直島の歴史を伝える写真、スケッチ、模型だけではなく新たに生まれ変わった建物と空間そのものをご覧いただく美術館です。 

以下より引用。

ANDO MUSEUM | アート | ベネッセアートサイト直島

 

安藤忠雄は、ベネッセハウスミュージアム地中美術館など直島のアート施設をたくさん設計してるんですね。これもその一環なのかしら。

外からの見た目は普通の古民家なのですが、中に入るとコンクリート打ちっぱなしの部屋が出てきて、しかも地下にも降りれるという不思議な構造でした。古民家の昔の構造も活かしていて、太い梁は力強く天井に走っている。コンクリートの隙間から光が差し込んで、こんな小さな家の空間をフルに活かすとここまで広がりを感じるのか、と驚きました。

展示物は安藤忠雄のこれまで設計した建物について。ベネッセハウスミュージアムの模型や設計メモ、写真など直島にゆかりのあるものから、大阪にある「光の教会」という建築についてなど。建築に詳しい人ならものすごく楽しめたのでは。自分はそんなに詳しくないのでなんだかもったいなかった気分。

 

■直島ホール

これはアート施設として観光マップに特筆されていません。でも散策しているときにすごく気になった建物で。大きな三角の茅葺き屋根がまぁ目立つこと。公民館みたいなもので直島のみなさんが使うホールだそうです。中に入ってみたら、不思議な構造で。大きな屋根の下に、小さな建屋が4つほど建っている。屋根の上に屋根があるっていうか。中心には古い井戸のポンプが残っていて、水をじゃばじゃば出して遊びました。緑に囲まれたこの建物は、光と風が差し込んで、のんびりできる空間でした。こういう施設を日常的に使える島民のみなさん、うらやましい。

やはり注目されているようで、Casa Brutusで記事になってました。

casabrutus.com

 

八幡神社

ANDO MUSEUMの目の前に石造りの重厚な鳥居があって、何だろうと気になり。階段が続いていたので上ってみました。これが案外長くて、島の高台をずっと上る、登る。途中にも鳥居、あと門。木々に囲まれた参道兼階段を抜けると、神社がありました。木の隙間から島と海の景色が見えました。

寄付した人々の名前が刻まれた石(神社によくあるよね)がたくさん立ち並ぶ中で、「陸軍大将」「海軍大将」の碑が。「報国」と厳めしく書いてあって、なんだか雰囲気が違う。瀬戸内海は第二次大戦のころに海軍の基地があったり訓練場があったりしたそうなので、この石碑はそういう戦争に関連した何かなのかな、と心に少しチクりとしました。今は平和な島ですが。戦時中の島の歴史も気になります。

 

 

本村エリアにはあと「家プロジェクト」という古民家とアートがコラボした施設があります。空き家がいろんなアーティストによってアートに生まれ変わって、それがエリア内に点在している。各施設に入ることもできるし、通しチケットを買って全部回ることもできます。自分は時間がなかったこともあってそんなに見ませんでした。

benesse-artsite.jp

 

歩いてこのエリアを回るだけでも楽しかったです。小さな町に焼き杉で彩られた古い家が立ち並び、そんな中におしゃれな小さな建物や、直島ホールのような風土と一体になったような建物がある。家の横には水路が走って、狭い道を観光客が通り過ぎていく。海からの風が通りに入り込んで空気が気持ちよい。小さなエリアに町らしさと新しさが共存していて、短い時間でしたがうろうろして正解でした。

 

 

瀬戸内旅行に関してブログをバラバラと書きましたが、回った順番と書いている順番はめちゃくちゃです。その辺はご了承ください。

豊島は冬季休館中の施設が多くてあまり見れなかったのが残念。直島も見逃しているものもたくさんあるので、また機会があれば来たいなと思います。今回の旅行と、この振り返りブログ執筆にあたりいろいろ調べて前知識はだいぶついたので。

 

またどこかに行ったら、ちゃんと記録に残そう、振り返ろう。

身体を動かして楽しむアートを寒い中で実感した@ベネッセハウスミュージアム屋外作品、宮浦港 ~瀬戸内旅行より~

先日、瀬戸内に行ってきました。

本日は、直島の屋外アート作品について。

※以下瀬戸内関連記事です。 

habitaso.hatenablog.com

habitaso.hatenablog.com

habitaso.hatenablog.com

 

 

ベネッセハウスミュージアムのパンフレットには、ミュージアム近辺の屋外アートの一覧が地図付きで載っています。ミュージアム沿いのメインの道から横に細い道が海の方へ伸びている、と思ってそこを下ると、海沿いにアートがある!なぁんてこともありました。地図を手に入れてから、「この屋外アート見逃してるじゃん」と気づいたものもいくつかありました…。たぶん、横道自体を見逃していたんだろうね。まぁ、しょうがない。

でもベネッセエリアのあたりはだいたい見て楽しんだと思います。いくつかご紹介。

 

■蔡國強「文化大混浴 直島のためのプロジェクト」

海沿いに作られたお風呂、なのか?ジャグジーが置いてあって、周りには中国から持ってきたという不思議な形の岩がたくさん立っている。笑った横顔みたいな岩もあって、つい真似をして同じ顔をして写真を撮った。太湖石という岩だそうです。風水の思想的に直島の中で最も強い気の流れる場所なんだとか。ジャグジーと岩が突っ立っているのが面白い。少し前までは予約すればここで入浴できたらしい!(今はできないけど)。入浴も含めてのアートだったんだね。無粋にゴツゴツした大きな岩が突っ立っている中に、真っ白で真新しいジャグジーがあるのが不思議でした。

「サイトスペシフィック・ワーク」、この場所に作品を置くと決めてから作られた作品だそうです。「文化大混浴」で検索すると、実際に入浴体験した人のブログも出てくるので面白いです。今はできない体験、うらやましい!

 

■ ダン・グラハム「平面によって2分割された円筒」

これはとっても面白体験ができた!タイトルの通り円筒です。外から見たら特に装飾のないガラスの筒、アートなのかよくわからないものだなぁと思いきや。よく見るとスライド式のドアがついていて、入ってみました。すると円筒を2分割するようにガラスがあります。向こう側も見えます。反対側にもドアがあって、同行していた友人にそっちから入ってもらいました。すると、あら不思議。2分割するガラスが微妙に光を反射したり通さなかったりするせいで、自分が透けてガラスに映っている!向こう側にいる友人はガラスを通して普通に見えるんです。なので、幽体離脱した自分が友人と並んでいるように見えるわけです。手をつないだふりした写真を撮って遊びました。うーん、伝えるのが難しい。中途半端に鏡に映った自分と、ガラスの向こう側にいる友人が並んでいる。伝わるかな?写真を撮るのがとても楽しい体験型アートでした。

 

ベネッセハウスミュージアム近辺はもうたくさんアートがありました。有名な草間彌生の南瓜は、黄色い方がこのエリアにあります。閑散期に行ったおかげで、写真を撮るのにそんなに並ばずに済みました。

 

李禹煥美術館

時間の都合で中は入らなかったけど、ベネッセハウスミュージアムの近くにあります。入口のモニュメントが素敵でした。天を衝くように高い高い石塔が立っている。そこは白い砂利で美しい広場。かと思えば錆で色が変わった鉄板が敷いてあり、あちらには大きな石。美術館自体は半地下になっているそう。高台にあったメインの道から階段で下に降りて、砂利の広場で石塔や海、石を視線の高さを変えながら見ていくのはとても楽しかったです。

benesse-artsite.jp

そういえば、李禹煥美術館の近くにあったやたらでかい工事中のモニュメント、あれは何だったんだろうか…。作品なのか本当に製作中だったのか、ただの工事中なのか、謎が深まるばかりです。調べても見つからないし。

 

さて、他に屋外アートはというと。

宮浦港付近に観光客を出迎えるようにございます。

 

草間彌生の「赤かぼちゃ」。これは中にも入れるとは知らなんだ。思ったよりも大きくてびっくりしました。

あと「直島パヴィリオン」。白いあみあみ。

 

そしてとってもアバンギャルドだったのが「直島銭湯「I♥湯」」。

とりあえずサイトの写真を見てください。

benesse-artsite.jp

 

入口からしてすごいでしょう。昼間っからカラフルな電球がチカチカしてました。銭湯なのでもちろん中に入れるしお風呂にも浸かれるのですが、自分は時間が合わず外装を眺めるのみでした。残念。外装だけでも突っ込みどころ満載で面白かった。電車の先頭車両の頭(?)みたいなものが壁からはみ出してるんだもの。あと3階が構造的に1階よりもはみ出てて大丈夫か!?みたいな。いやぁ中も気になる。

 

宮浦港はとてもきれいで、フェリーの待合所もおしゃれでした。お土産屋さんでアイスとかも売ってるし、きれいな海の駅。レンタサイクルのお店が何軒も並んでいて、どこも英語表記をしっかり添えている。うーん、グローバル。草間彌生の水玉デザインの軽自動車が走っていて可愛かったな。あれはレンタカーだったのかな?

 

宿泊したのは宮浦港から反対側の本村港に近いエリア。そこは古い町並みが残っていて印象が違ってまた良い良い。それについてはまた記事で書きます。

 

振り返れば振り返るほど、見逃したものの多さに気づく…!

順番なんて気にしない@ベネッセハウスミュージアム~瀬戸内旅行より~

先日、瀬戸内に行ってきました。

本日は、旅行中に行ったベネッセハウスミュージアムについて。

※以下の記事で、同じ旅行で行った豊島横尾館について書いてます。

 その他関連記事。

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ベネッセハウス ミュージアムは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として1992年に開館しました。瀬戸内海を望む高台に建ち、大きな開口部から島の自然を内部へと導き入れる構造の建物は、安藤忠雄の設計によるものです。 絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどの収蔵作品の展示に加え、アーティストたちがその場所のために制作したサイトスペシフィック・ワークが恒久設置されています。アーティストたちは自ら場所を選び、作品を制作しています。作品は展示スペースにとどまらず、館内のいたるところに設置され、施設をとりまく海岸線や林の中にも点在しています。直島の自然に向き合った、または建築に触発された作品など、美術館の内外に点在するサイトスぺシフィック・ワークと合わせて、自然とアートと建築が融合する稀有な場をつくりだしています。

benesse-artsite.jp

↑こちらより引用。

 

1992年に開館してたなんて知らなかった!瀬戸内のアートブーム、海外観光客の人気スポット、そんな情報が出てきたのはここ数年の話なので(私の体感です)、そんな前からあったなんて驚きでした。それだけアートを推した街づくりをコツコツ続けて、ようやく実ってきた、ということなのかしらね。

 

 

直島は東に本村港、西に宮浦港があり、港を起点に島を東西に突っ切る道、島の南側をぐるっと回ってそれぞれの港をつなぐ道、これをつなげて一周するとおおよそ直島のアートは楽しめます。小さな島なので、自転車で十分回れる。

benesse-artsite.jp

 

地図の通り、ベネッセハウス ミュージアムは、直島の南側の真ん中らへんにあります。ところがどっこい、なんとこの南側の一部エリアは自転車禁止です。徒歩かシャトルバスで移動。シャトルバスは頻繁に往復しているのでそんなに困らないけれど、自転車を借りた場合は一日のルートをどうするか、事前に考えておいた方がよいです。

自分は現地に行くまで自転車禁止エリアがあることを知らず(事前に調べろって話)。自転車禁止エリアの両端にある駐輪場に自転車を置いて、シャトルバスと徒歩で見て回りました。

 

ベネッセハウスミュージアムはまさに現代アートの美術館。不思議な絵、インスタレーション、触るもの、音が出るもの、光るもの、様々でした。

撮影NGなのでHPなど見てもらうしかないのですが、印象的だった作品をいくつかご紹介。

 

ブルース・ナウマン「100生きて死ね」

ネオンの文字がカラフルに輝く作品。

「RUN AND DIE」「RUN AND LIVE」、「LAUGH AND DIE」「LAUGH AND LIVE」など、「生きろ」「死ね」が同じ単語に紐づいてペアで並んでいます。25行が4列並んで、それぞれの文字列がそれぞれにカラフルに明滅している。どこが具体的に、というわけではなく、隅から隅まで見つめて読んでみたり、遠くから全体をぼやっと眺めてみたり、じーっと見たくなる作品でした。

見覚えがあるような、と思ったら、ロンドンのテートモダンに行ったときに同じナウマンさんの作品を見ていました。それはネオンでできた文字列。「RUN FROM FEAR」「FUN FROM REAR」という言葉遊び。自分は言葉遊びが好きなので、とても印象的でした。

調べてみたらテートモダンのサイトに動画紹介があったので貼っておきます。作品も紹介されてるのでぜひご覧あれ。ネオンが遊びぐねっているよ。

https://www.tate.org.uk/art/artists/bruce-nauman-1691/bruce-nauman-true-artist-helps-world

 

安田侃「天秘」

石です。大きな丸い、大理石。コンクリート打ちっぱなしの四角い空間で、天井はぽっかり空いて空が見える。そこに白くてすべすべした大理石が2つ、置いてある。いい具合にくぼんでいて、寝転がって空を見れるのです。石に触れている服ごしにひんやりとした感触が伝わってきて、灰色の壁に区切られた空が見える。とても静かな空間で、時間が止まったような感じがしました。ずっとごろごろしていられた。

館内を回っていたらガラスごしに「外に何か丸い石があるぞ」と発見したはいいものの、ガラスで区切られているその空間に入れるのかわからず…。よく見ると、ガラス自体がめちゃくちゃ大きくて重いドアになっていることに気づき、友人と2人でやっとこさ開けて石に触りました。笑

自分たちが石でごろごろした後に他の観光客も続々と体験していた。ということは、この石がそもそも触れるものと気づかずにスルーしてしまった人もたくさんいたのでは…。もう少し入口をわかりやすくしたほうが良いと思われる。

ちなみにこれ↓

www.kan-yasuda.co.jp

 

■柳幸典「バンザイ・コーナー1996」

大量のウルトラマンウルトラセブンが万歳している!きれいに整列して!4分の1の円を埋め尽くすようにきっちり並んでいるのですが、鏡があるので円になって見えます。作品名も、をかし。

www.yanagistudio.net

 

■柳幸典「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990」

壁一面に国旗が並んでいるなぁと思ったら、なんだか削れたり紐を通したようにガタガタしていたり。よく見ると、なんとアリの巣。国旗それぞれがチューブでつながっているのですが、そこを通って蟻が大きな大きな巣を作っているのです。色付きの砂でできた国旗を蟻が通り抜けている面白さ。デカさ、面白さ、ともに伝わらないと思うので以下サイトでご確認ください。

www.yanagistudio.net

 

光ったり触ったりするものばかり紹介してしまった。もちろん絵や立体作品などユニークなものが他にもたくさんありますよ。

 

そして建物の構造がまた面白くて。1階と2階の境目がよくわからないし、天井吹き抜け空間が急に現れるし、回るのが難しかったです、いい意味で笑。順路に縛られずに楽しめる。光が差し込む明るい部屋、海が見える部屋、コンクリート打ちっぱなしで吹き抜けのホール、それぞれの空間に合った作品が配置されているんだなぁ、と今更ながら(ブログ書きながら)感心しています。

 

さっきwikipediaや公式サイトを読み直して知ったのですが、安藤忠雄の建築によるこのミュージアムはやっぱり不思議な構造で、作品集めも手が込んでいるんですね。

絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどの収蔵作品の展示に加え、アーティストたちがその場所のために制作したサイトスペシフィック・ワークが恒久設置されています。アーティストたちは自ら場所を選び、作品を制作しています。

↑冒頭の公式サイト紹介文より再掲。

wikipediaの説明もわかりやすいです。

ベネッセアートサイト直島 - Wikipedia

 

美術館を見て場所を選んでもらってから作品を作る、っていうのが面白い。美術館という「ハコ」があって、そこにありものの作品を埋めていくのではなくて、空間にあった作品を作るんだね。順番が独特で、こんなのあるのかと驚きました。

※全部の作品がそのように設置されているわけではないです。

 

時間がなくてあまりゆっくり見れなかったけど、とてもユニークネスにあふれていて楽しかったです。館内を回る体験それ自体も愉快だった。

 

なんだかとても長くなってしまった。屋外アートについても書きたいのでそれはまた別途。

 

行ったときに知らなくても、今こうやってブログを書きながら調べて「そういうことだったのか!」と背景を知ってまた楽しめる。旅行って振り返るのも楽しいよね。